撮影テクニック

【撮影方法】白飛びとは?ー写真の白飛びの原因と対処法

【撮影方法】白飛びとは?ー写真の白飛びの原因と対処法

皆さん白飛びさせてますか?一般的に白飛び写真は良くないとされていますが、私自身は結構白飛びした写真の表現というのが好きで、光の表現としてあえて白飛びさせたりします。

最近夏という事で海の撮影に行く事が多く、この「白飛び」について考える機会がたくさんあったので今回の記事では

  • 写真の白飛びとは?
  • 白飛びが駄目な理由
  • 白飛びの原因
  • 白飛びを防ぐ方法
  • 白飛びの表現方法

について詳しく解説していきます♪

写真の白飛びとは?

白飛びって何?

という方もいらっしゃると思うのでまずは具体的に白飛びした写真について見て頂きましょう。

デジタル写真における白飛びした写真というのは下記のような写真です。

写真の白飛びとは? 白飛びした写真サンプル

一方、下記の写真は厳密な意味では白飛びした写真ではありません。

写真の白飛びとは?白飛びしていない写真サンプル

(゚Д゚)ハァ?

って感じですよね。一見ほぼ同じように見える写真ですが、この二つの写真には実は大きな違いがあります。デジタル写真における「白飛び」の概念について理解を深めて頂くために、まずはPCやスマホのモニター上で画像データを再現する方法である「RGB」について解説しますね。

RGBとは

写真の白飛びとは?RGB

RGB:Red=赤、Green=緑、Blue=青の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現する加法混合の一種

小学校の時に「光の三原色」とか「色の三原色」ってなんか習った気がしますよね。あれです。

RGBの場合は光の三原色といわれるRed=赤、Green=緑、Blue=青を混ぜる事で色を再現する方法で、色を混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど明るい色へと変化するため、「加法混合・加法混色」と言われます。

写真の白飛びとは?RGB
写真の白飛びとは?RGB

さきほど見ていただいたこの写真も上に載せたようなRed=赤、Green=緑、Blue=青の画像を重ねる事で下の画像が表現されているわけです。不思議ですね。

白飛び=RGB=255,255,255の状態

そしてこのRGBはそれぞれ明るさの強弱があり、「0〜255」の数値で表示されます。

  • R=0:最も暗い赤
  • R=255:最も明るい赤
  • G=0:最も暗い緑
  • G=255:最も明るい緑
  • B=0:最も暗い青
  • B=255:最も明るい青

といった具合で、デジタル写真におけるいわゆる白飛びした状態というのは、

RGB=255,255,255の状態

初めにご覧頂いたこちらの写真、見た目にはそれほど大きな違いが無いにもかかわらず、「左が白飛びしていない写真」「右が白飛びした」写真だとかのたまっていましたが、RGBのデータで見て頂くとこんな感じになっています。

真ん中の赤丸を付けた部分のRGBを計測すると

  • 左の写真は:RGB=251,251,254
  • 右の写真は:RGB=255,255,255」

となっていますね。そういうわけで左の写真は白飛びしていない写真。右の写真は白飛びした写真。というわけです。

白飛びが駄目な理由

白飛びが駄目な理由

白飛びについてはわかったけど

白飛びしているから何が駄目なの?

って思いますよね。白飛びが駄目な理由は大きく2つあります。その2つとは、

  • 印刷した時に色が乗らない
  • 色のデータが無くなる

という事。

印刷した時にインクが乗らない

白飛びしていると駄目な理由の一つ目は「印刷した時にインクが乗らない」という事。

プリンターで印刷する場合、白インクというものが無いので白い部分は印刷用紙の白がそのまま表現され、白い部分だけインクが乗っていない状態になります。

そこだけインクが乗っていないので光の反射具合なども変わってきて違和感のある仕上がりになってしまいます。

フォトコンなどに印刷物を提出する必要がある場合は注意したいところですね。

色のデータが無くなる

白飛びしていると駄目な理由の二つ目は「色のデータが無くなる」とう事。

SNSやブログなど、主に写真をモニター上で楽しむ上ではこちらの理由が大きいですね。色のデータが無くなるとは具体的にどういう事なのか、先ほどの写真を参考に見て頂きましょう。

こちらの写真、「左が白飛びしていない写真」「右が白飛びした」写真ですが、Lightroomで写真を暗くしていくとこのような感じになります。

  • 白飛びしていない写真(左):空の青が戻ってきている
  • 白飛びした写真(右):空の青さが戻らず白いまま

よく見ないとわかりづらいですが、上記のような結果が得られます。JPEG画像を暗くしているので綺麗な階調ではありませんが、完全に白飛びしていない写真の場合は暗くすれば白く見えていた部分の色が多少戻ってきます

一方白飛びした写真の場合は色のデータが完全に失われている状態なので、どれだけ暗くしても白い部分の色は戻ってきません

写真を最終的に仕上げていく上でこの違いはかなり大きいですね。

後から現像ソフトなどで「白飛びしていない写真を白くする」事は簡単にできますが、「白飛びした写真の色を戻す」事はかなり難しいので、写真を撮影する際は「白飛びしないように撮影する」事が大事になってくるわけです。

白飛びの原因

では何故写真が白飛びしてしまうのか。白飛びの原因は撮影する側・被写体側双方にあり、原因の多くは

  • 露出オーバー(明るい設定で撮影している)
  • 被写体が明るすぎる
  • 被写体の明暗差が大きすぎる

などが挙げられ、白飛びの原因によってそれぞれ撮影テクニックや現像テクニック・撮影機材などで対処していく必要があります。

白飛びを防ぐ方法 前提条件

白飛びの原因と対処法についてそれぞれ解説していきますが、まず大前提として知っておいてもらいたい事が

  • 良い(高級な)一眼レフカメラほど白飛びしにくい
  • RAW現像無しで白飛びを完全に防ぐのは難しい

という事。

良い(高級な)一眼レフカメラほど白飛びしにくい

ちょっと語弊がある言い方ですが、良い(高級な)一眼レフカメラほど白飛びしにくくなります。

具体的にどういう事かというと、デジタルカメラがとらえることができる、明るい部分から暗い部分への再現可能な幅を「ダイナミックレンジ」と言います。

このダイナミックレンジの性能がカメラによって異なり、高級な一眼レフ、最新の一眼レフほどダイナミックレンジ性能が良い傾向にあります。

DXOMARKというサイトで各メーカーの一眼レフカメラのダイナミックレンジを調べる事ができ、例えばCANONのハイエンドモデルの「EOS-1D X Mark Ⅲ」とミドルクラスモデルの「EOS 6D Mark Ⅱ」を調べるとこんな情報が見れます。

出典:DXOMARK
出典:DXOMARK

上から3つめの項目「Landscape(Dynamic Range)」を比較すると

  • EOS-1D X Mark Ⅲ:14.5
  • EOS 6D Mark Ⅱ:11.9

となっていますね。数値が高いほど良く、当然ですがハイエンドモデルの「EOS-1D X Mark Ⅲ」はミドルクラスモデルの「EOS 6D Mark Ⅱ」よりも撮影した時にとらえる事ができる「明るい部分〜暗い部分までの幅が広い」という事になります。

上の画像のように写真がどれくらい明るいかをグラフ化したものを「ヒストグラム」と呼び、ちょっと極端ですがダイナミックレンジの大きさの違いを感覚的に示すとこんなイメージです。

ダイナミックレンジが大きいカメラには表現できる明るさもや暗さも、ダイナミックレンジが小さいカメラでは白飛び・黒潰れしてしまったりします。

これからカメラを購入しようという方はこのあたりも調べて購入されると良いですね。

RAW現像無しで白飛びを防ぐのは難しい

もう一つの大前提として、デジタルカメラにおいてRAW現像無しで白飛びを完全に防ぐのは「非常に難しい」というか、撮影条件によっては「ほぼ不可能」な場合もあります。

一眼レフカメラの性能は日々向上していますが、人間の目よりも優れた性能を持つカメラは無く、本当に「目で見た印象に近づけて白飛びを防ぐ」ためにはRAW現像が前提となってきます。

そもそもRAW現像って何?という方は下記記事にて一眼レフカメラのRAW現像の始め方について詳しく解説していますのでご覧ください。RAW現像を始めると白飛びを超簡単に防ぐ事ができる上に、写真が100倍楽しくなりますよ♪

一眼レフカメラRAW現像の始め方
【現像方法】RAW現像の始め方-RAW現像で写真を100倍楽しむ

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RAW現像無しで白飛びを完全に防ぐのが難しいシチュエーションは例えば以下のような場合。海での夕日の撮影で、いわゆる「逆光」の状態ですね。

RAW現像無しで白飛びを防ぐのは難しい

この写真のRAW現像前の状態はこんな状態です。

RAW現像無しで白飛びを防ぐのは難しい

明るい太陽を白飛びさせないように撮影しようとしたことで、太陽以外の部分は真っ黒に黒潰れしてしまっていますね。

逆に岩場が適正露出になるように撮影するとこんな感じに。

RAW現像無しで白飛びを防ぐのは難しい

今度は岩場の色は綺麗に出ていますが、太陽周りの空は完全に白飛びしてしまっていますね。

こちらの写真はCANONの5Dsrで撮影した写真ですが、50万円近くするハイアマチュアモデルのカメラで撮影してもこのようなシチュエーションでは太陽近くの空の色から手前の岩場の色までRAW現像無しで綺麗に再現する事はほぼ不可能です。

夕日の撮影の時なんかはハーフNDフィルターというものを使用して撮影する事で太陽の白飛びを抑える方法なんかもあったりするわけですが、このように「上が空で下が被写体」のように綺麗に分かれていない場合の逆光の時には使用が難しいですね。

日中の逆光の他にも、紅葉や桜のライトアップの時にように「明暗差が大きいシチュエーション」というのは意外と多く、そのような場合にも撮影テクニックだけではカバーし切れないので、やはり完全に白飛びを防ごうと思うとRAW現像という工程は必須になってきます。

RAW現像をすれば白飛びはより綺麗に防げる

RAW現像をすれば、JPEGで撮影した場合よりもより一層綺麗に白飛びを防ぐ事ができます。例えば先ほどご覧いただいたこちらの写真。

「左が白飛びしていない写真」「右が白飛びした」写真ですが、Lightroomで空の明るい部分だけを暗く調整するとこのような感じになります。

左の白飛びしていない写真は空の色が戻ってきているとは言え、階調がおかしくムラのあるグラデーションになってしまっていますよね。右側の白飛びしている写真よりはいくぶんマシとはいえ、これではあまり良い結果とはいえないですね。

これはJPEG写真を無理やり加工しているためにこのような現象が起きてしまいます。

一眼レフカメラのRAW現像の始め方」で詳しくは解説していますが、普段使用している「JPEG」という画像データはそれ自体完成品で、加工する事を前提としていないためJPEG画像の白飛びを抑えようとすると上の写真のようにあまり良い結果は得られません。

一方でRAWという画像形式で保存していれば、現像で下の写真のような結果が得られます。

RAW現像をすれば白飛びはより綺麗に防げる

空のグラデーションがとても綺麗に復活していますね。横に並べるともっと結果は一目瞭然です。

「左が白飛びしていないJPEG写真」「右がRAWデータを現像した写真」。RAW現像した写真はグラデーションが綺麗な上に変なノイズも無く、写真としての完成度は圧倒的に綺麗なのが見てとれますね。

というわけで、白飛びをより一層綺麗に防ぎたい場合はRAWという画像形式で撮影してRAW現像を行うと最良の結果が得られます。

白飛びを防ぐ方法 撮影時の対処方法

白飛びを防ぐ方法 撮影時の対処方法

白飛びを綺麗に防ぐためにはRAW現像が必須となるんですが、完全に白飛びした写真はRAW現像をしても白い部分が復活しないので、撮影時から注意しておく必要があります。

白飛びの原因としては

  • 露出オーバー(明るい設定で撮影している)
  • 被写体が明るすぎる
  • 被写体の明暗差が大きすぎる

などがありますが、それぞれの場合について具体的にどのように撮影すれば良いのか解説していきます。

撮影時の対処方法 露出オーバー(明るい設定で撮影している)場合

露出オーバーで撮影してしまっている場合は撮影時のカメラの設定の問題なのでRAW現像を前提とすれば簡単に解決できます。

対処方法1ヒストグラムを確認しながら撮影する

多くの一眼レフカメラは撮影時にヒストグラムをモニター上に表示しながら撮影したり、撮影した画像を再生時にヒストグラムを表示できる機能が付いているので、白飛びした状態が感覚的に掴めるようになるまではヒストグラムを表示しながら撮影すると良いですね。

このようにヒストグラムのグラフが右側にべったり張り付いてしまっているような状態は白飛びしてしまっている状態です。

このように綺麗な山形のヒストグラムになっていれば撮影した写真の色の情報が綺麗にデータとして残ります。

白飛びを防ぐために暗く撮影しようと思うと逆に写真が真っ暗に黒潰れしてしまう事も多いですが、

  • 白飛び:現像しても色が戻ってこない事が多い
  • 黒潰れ:現像すれば色が戻ってくる事が多い

ので、基本的には白飛びしないように注意して撮影する事をオススメします。とはいえヒストグラムだけを完全に信頼し過ぎるのも禁物。

  • ヒストグラムが右側に張り付いていても多少は色が戻ってくる
  • 完全な黒潰れは色が戻ってこない&盛大にノイズが乗る

上に、カメラメーカーによって白飛びに強いメーカーや黒潰れに強いメーカーがあったりするので、撮影と現像を繰り返して「どの程度の白飛びなら色が戻ってくるのか」「どの程度の黒潰れならノイズが乗らないのか」を自分の使用機材に合わせて感覚的に掴んでいく必要があります。

何枚でも撮影できるのがデジタルカメラの良いところなので、感覚を掴めるまでは

  1. ヒストグラムで白飛びしないギリギリの写真を撮る
  2. 1の写真よりも少し明るく撮る
  3. 1の写真よりも少し暗く撮る

同じ写真を設定を変えて数枚撮影しておくのが一番手っ取り早いですね。

対処方法2撮影モード(マニュアル)以外の場合

次にそもそも白飛びしないように暗く撮影する方法に関してですが、撮影モードをマニュアル以外で撮影している場合は「露出補正をマイナス」にして撮影しましょう。

一眼レフカメラはピントを合わせているメインの被写体が適切な明るさになるように勝手に判断してくれる一方、メインの被写体の背景に空や太陽などの明るいものがある場合にはその部分が白飛びしてしまいます。

ヒストグラムで白飛びしていないギリギリの数値まで露出補正をマイナスにして撮影しましょう。

対処方法3撮影モード(マニュアル)の場合

撮影モードをマニュアルで撮影している場合は

  • F値を大きくして撮影
  • シャッタースピードを短くして撮影
  • ISO感度を小さくして撮影

する事で暗く撮影する事ができ、白飛びを防ぐ事が出来ます。

撮影時の対処方法 被写体が明るすぎる場合

カメラの設定でどうにもならないほど被写体が明るすぎる場合というのは結構レアケースですが、例えばこんなシチュエーションがあります。

  • 日中の明るい時間に長時間露光で撮影したい
  • 日中の明るい時間にボカして撮影したい

シャッタースピードを変えて色々な表現を楽しめるのが一眼レフカメラの魅力ですね。

マニュアルで撮影する場合シャッタースピードは30秒〜1/8000秒程度まで設定を変える事ができ、ほとんどの場合このシャッタースピード内で問題無く撮影できるんですが、特殊なシチュエーションではこの範囲内で思い通りの写真が撮れない場合もあったりします。

日中の明るい時間に長時間露光で撮影したい

SS 0.6 / f 13 / ISO 100 / 24mm / フィルターND64+64
Canon EOS 5DS R / EF24-70mm f2.8L Ⅱ USM
SS 0.6 / f 13 / ISO 100 / 24mm / フィルターND64
Canon EOS 5DS R / EF16-35mm f4L IS USM

海や川・滝などの撮影テクニックとして面白い表現方法として「長時間露光撮影」というのがあります。上の写真のように海の写真でシャッタースピードを60秒に設定したり、滝の写真でシャッタースピードを0.6秒に設定したりと長い時間露光する事で水の流れをサラッサラに表現できる撮影テクニックです。

日中の海での撮影をイメージしてもらうとわかると思うんですが、ISOを100で一番低く、f値を13など絞って撮影したとしも60秒も露光していたら普通は空が真っ白に白飛びした写真になってしまいますよね。

滝の場合も同様で1秒近く露光していては葉っぱや滝の水の色自体が白飛びしてしまいます。

このようなシチュエーションは、

撮影したい表現方法に対して、被写体が明るすぎる

という状態だといえます。このような場合は割とシンプルな解決方法があり、それがND(減光)フィルターというアイテムを使用する事。

ND(減光)フィルターとはいわばカメラに取り付けるサングラスのようなもので、取り込む光の量を減らす(あえて暗くする)役割があります。

ND4〜ND1000など数字の違うNDフィルターがいくつも販売されていますが、この数字は

  • ND4:光量を1/4に減光
  • ND1000:光量を1/1000に減光

と減光出来る光量を示しています。薄いNDフィルターなら2枚重ねて使用する事もでき、2枚重ねて使用する際の減光量は単純に数字を掛け合わせて考えればよく、

  • ND4+ND8:ND32相当=光量を1/32に減光
  • ND64+ND64:ND4096相当=光量を1/4096に減光

といった具合。撮影する被写体やシチュエーションによって必要な減光量というのは変わってくるので何枚か揃えておくのが便利です。とはいえ、使用レンズの口径に合わせて揃える必要があり、1枚あたり1万円前後と結構高額なものなので何枚も揃えると結構な出費になります。

私自身色々なNDフィルターを購入して試してきましたが、海や滝の撮影をされる場合にはND64×2枚・ND32を1枚もっていればあとは重ね付けやf値の設定を変える事でほとんどの場合対応できるのでオススメですよ♪

NDフィルターを購入する際は使用レンズの口径に合わせたものを購入するように注意してください

日中の明るい時間にボカして撮影したい

【撮影方法】梅の花の撮影テクニックー幻想的な梅の撮影方法
SS 1/8000 / f 2.8 / ISO 100 / 100mm
Canon EOS 5DS R / EF100mm f2.8L Macro IS USM
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SS 1/8000 / f 2.8 / ISO 100 / 100mm
Canon EOS 5DS R / EF100mm f2.8L Macro IS USM

もう一つの被写体が明るすぎるシチュエーションというのが、「日中の明るい時間にボカして撮影したい」場合。

ボカして撮影する場合はf値を2.8などと小さくして(開放で)撮影するため、その分たくさん光がカメラに入ってきて明るくなってしまいます。

その分シャッタースピードを短くし、ISOを低くする事で入ってくる光の量を少なくしてあげる必要があります。

上の写真の場合は暗い背景を選び、ISOを100、シャッタースピードを1/8000とカメラで設定可能な限界まで早くした上に、RAW現像で暗くする事でなんとか白飛びさせずにアンダーな表現で撮影できましたが、明るい日中で暗い背景が無い場合なんかは白い花などは結構白飛びしてしまいます。

このような場合も、白飛びさせずに撮影するためには長時間露光の時同様ND(減光)フィルターがあると便利ですね。

マクロレンズなどでボカして撮影する場合は被写体ブレを起こさないためにシャッタースピードはできるだけ早い方が良いので、ND32くらいの減光フィルターがちょうど良い気がします。

撮影時の対処方法 被写体の明暗差が大きすぎる場合

一眼レフカメラが最も苦手とし、白飛びが起きやすいのが「被写体の明暗差が大きすぎる場合」。夕日の撮影時なんかは半分だけND(減光)効果のあるフィルターであるハーフNDフィルターがあると、太陽を白飛びさせずに他の被写体の黒潰れを極力抑える事ができます。

ただしこのように「半分が明るく、半分が暗い」夕日の撮影のようなシチュエーションでしか使用できないので、そのような場合はやはりRAW現像でなんとかするしかないですね。

上の写真も「撮影時には白飛びを抑えて撮影し、RAW現像で暗い部分を持ち上げる」事で夕焼け空の綺麗なグラデーションをしっかりと残しながら手前の岩場の黒潰れを現像で復活させています。

便利ですね。RAW現像。

白飛びの表現方法

白飛びを防ぐ方法について色々解説してきましたが、ここで勘違いしないようにして頂きたいのが、

白飛びした写真=悪い写真ではない

という事。現像する上で表現できる幅が広がるので撮影時にはあくまで白飛びしないように撮影する事をオススメしますが、最終的な作品として仕上げていく上であえて白飛びさせるのは表現としてありです。ただし印刷する場合はインクが乗らないという弊害もあるので注意。

白飛びの表現方法1神秘的な表現

「白」という色は純粋な光の色なので神々しく神秘的な印象を与えてくれますね。静謐な印象を与えたい時にはあえて白飛びさせてしまう表現方法もオススメですよ♪

シンプルな被写体によく合うので私は大好きな表現方法の一つです。

白飛びの表現方法2無垢な白を表現

雪景色のように純粋で無垢な白を表現したい時には白飛び上等で現像する方が良い結果になる事も多いです。

というのも雪景色はモノトーンの景色になるので、色の情報量が少ない分光の見せ方が重要になってきます。

雪景色の中で空から光が差し込んでいるような部分はあえてちょっと白飛びさせた方が光の様子がわかりやすく表現できますね。

白飛びの表現方法3眩しさを表現

太陽の眩しさなどをそのまま表現したい場合も白飛びさせちゃいましょう。太陽というドラマティックな被写体の眩しさをそのまま表現する事で印象的な写真になってくれますよ♪

まとめ

写真の白飛びについて色々と細かい話をしてきましたが、本当に大事なのは下記の3点です。

  • 撮影時には白飛びしないように撮影する
  • RAW現像すると良い結果が得られる
  • 白飛び=悪い写真では無い

白飛びについてよく理解して、写真の表現の幅を広げましょう♪

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