撮影テクニック

【撮影方法】滝の撮影テクニックー基本的な滝の撮影方法

滝の撮影テクニックー基本的な滝の撮影方法

5月ともなると気候もだいぶんと暖かく、いやむしろ暑くなってきて、これまで寒々しい枝ばかりだった木々も新緑の装いとなってくるので、こんな時期には滝を撮影したくなってきますよね♪なりませんか?いやなるはず。

絶景スポットとしては比較的不人気?で撮影に出かけても撮影しているのは自分一人なんてことも多い滝ですが、冬の雪景色から春の桜や新緑、夏の深緑はもとより秋の紅葉と年中楽しめる被写体なので、撮影するスポットに困った時には結構重宝する被写体だったりします。

割と日本中どこにでもある被写体ですしね♪撮るものに悩んだらとりあえず滝撮っておけば楽しめると思います。

特に夏なんかは避暑地としてもオススメで、滝の近くは非常に涼しい事が多いので暑い季節には特にもってこいの被写体ですね。

こちらの記事ではそんな滝の撮影方法について基本的なところをお伝えできればと思います。

基本的な滝の撮影方法 事前準備編

ひとえに滝といっても日本にはそれこそ無数に滝があり、滝によって訪れるべき時期や滝に行くまでの難易度、撮影スタイル(展望台から眺める・渓流に入って撮影)などが異なるので事前準備は欠かせません。

行ける滝かどうか事前に確認

滝の撮影で最も注意しなければならないのはそもそも行ける滝かどうかという事。

日本の滝100選に選ばれているような滝でも落石や冬季閉鎖などで通行止めになっている場合があり、そもそも訪れる事が出来ないパターンが結構あるので、事前にインターネットやSNSで確認しましょう。

滝までのルートの難易度を確認

観光地化していて車を駐車場に止めたらもう滝が見えてる、なんて楽勝パターンもあれば滝にたどり着くまでに数十分の遊歩道や登山道を歩かないといけなかったり、途中渓流の中に入らないと辿りつけなかったり、足を滑らせたら死んでしまうような崖地を通らないといけなかったりと滝によって到着するまでの難易度も様々。

サクッと撮影して帰るつもりが思いのほか撮影に時間がかかってしまうような事もあるので、滝までの所要時間や難易度は事前にインターネットなどで確認しておきましょう。

基本的な滝の撮影方法 撮影に必要なもの

カメラ・レンズ

カメラは当然ですが、レンズに関しては撮影する滝によって必要なレンズが変わってきます。展望台から遠望で眺める時は標準〜望遠レンズ、滝壺から滝の全景を撮影する時は広角レンズが必要になってくるのでできれば広角〜望遠まで全てカバーできるようにしておいた方が良いですね。

三脚・レリーズ

必須というわけではありませんが、下の写真のように長時間露光で滝の水流を滑らかに流して撮影する時なんかは三脚・レリーズが必要になってきます。

群馬県の絶景  棚下不動滝の新緑
SS 0.6 / f 13 / ISO 100 / 24mm / フィルターND64
Canon EOS 5DS R / EF16-35mm f4L IS USM

ND(減光)フィルター

詳しくは後述しますが、上の写真のように長時間露光で滝の水流を滑らかに流して撮影する時にはNDフィルター(減光フィルター)というものが必要になります。

滝の撮影の幅がぐんと広がるのでNDフィルターはあった方が撮影が圧倒的に楽しくなりますよ。

滝の近くで撮影する場合なんかは水しぶきがとんでくるような事が多いので、NDフィルターの中でも特に撥水機能のついたものがオススメ。

撥水機能がついていないとシャッターを切る度にレンズについた水滴を拭き取りながら撮影することになるので正直撮影どころじゃなくなりますが、撥水機能付のものを付けておくとブロアーで簡単に水滴を吹き飛ばせるので圧倒的に便利です♪

私が長年愛用しているのはケンコー・トキナーの「PRO 1D Lotus」シリーズ。撮影場所の明るさや天候にもよりますが、ND32・ND64を1セット持っておくと大抵の撮影に対応できます。予算的に難しい時は先にND64の購入をオススメします。

フィルター購入の際は使用レンズの口径に合わせたものを購入するように注意しましょう。

PL(偏光)フィルター

こちらも詳しくは後述しますが、滝の白飛びを抑えたり、晴れの日の日中の撮影で直射日光の当たっている部分のギラつきを抑えたりするのにPLフィルター(偏光フィルター)があると便利です。こちらも撥水機能付きのものがオススメ。

最悪現像で多少なんとかなる部分ではあるので、必要なものの優先順位としてはNDフィルター→PLフィルターでしょうか。

ブロアー

フィルターについた水しぶきをとばすためにブロアーがあると便利です。一撃で吹き飛ばせるようにサイズは大きめのものの方が良いですね。

長靴・サンダル

滝の撮影では渓流の中に入って撮影する事も多いので長靴もしくはサンダルがあると便利です。最悪靴を脱いで裸足で入っちゃっても良いですが撮影の快適さがだいぶ変わってきます。

懐中電灯

滝の周辺は山や森の中なので木がうっそうと生い茂っている事が多く、日の入り前の時間帯でも真っ暗になる事もしばしば。スマホの懐中電灯アプリでなんとかなる事も多いですが、遊歩道がちゃんと整備されていないところなんかだとしっかり道が見えていないと危険なので懐中電灯は持っておいた方が良いですね。

基本的な滝の撮影方法 撮影編 オススメの天候・時間帯

オススメの天候

滝の撮影にオススメの天候は「曇り」→「雨」→「晴れ」の順でしょうか。

滝を見上げて撮影する場合なんかは雨の日は結構つらいものがありますが、それ以上に晴れの日の日中は水や周りの風景がギラギラしてなんとも絵にならず、撮影のモチベーションも下がってしまう事が多いです。

基本的な滝の撮影方法 撮影編 露光時間による表現の違い

こんな風に周りの木々や岩に直射日光が当たり、メインの被写体である滝よりも目立ってしまってなんとも絵にしずらいですね。

基本的な滝の撮影方法 撮影編 露光時間による表現の違い

撮影スポットによってはこんな風に展望台の影が滝にかかってしまうなんていう事も。。。

和歌山県の絶景 那智の滝の新緑

曇りや雨の日だと周囲の景色にも均等に光が回るのでメインの被写体である滝に視線を持っていきやすいですね♪

オススメの時間帯

滝の撮影にオススメの時間帯は

  • 晴れの日:午前中・夕方
  • 曇り・雨の日:一日中

理由は先ほどの天候の理由と同じで、晴れの日の日中は周辺の景色がギラついて絵にしづらいからです。曇りや雨の日だとそんな心配も無いので一日中滝の撮影を楽しめますね♪

基本的な滝の撮影方法 撮影編 露光時間による表現の違い

滝の撮影でその表現に非常に大きく関わってくる要素が露光時間(シャッタースピード)です。具体的に全く同じ画角で露光時間を変えて撮影した作例を見てみましょう。横にスライドしてみてください。

1/50秒あたりから水流がブレたような感じになり始め、1秒前後から水流がヌルッと滑らかになり始めるのがわかるかと思います。

露光時間が短い場合は水流を止めて撮影出来、水しぶきがはじけとぶような豪快な表現になるのに対して、露光時間が長い場合は水流が滑らかな絹糸のようになり、どちらかというと静かな印象の表現になります。

撮影ポイント

  • 露光時間を短く→水流を止めて豪快な印象で撮影できる
  • 露光時間を長く→水流を流して静かな印象で撮影できる

どちらの表現にするかは好みですが、どのようにでも自由自在に撮影できるようになっておくと表現の幅がグンと広がりますね♪

露光時間を短くして水流を止めて撮影する方法

露光時間を短くして水流を止めて撮影するのはカメラとレンズさえあれば手持ちでも撮影が可能なので露光時間を長くして撮影するのに比べて簡単ですね。

露光時間を短くして撮影する方法

  • F値を小さくする(取り込む光を多くする)
  • ISO感度を上げる(取り込む光を多くする)

露光時間を短くするとその分光を取り込む量が減り、写真が暗くなるので適切な明るさになるようにF値を小さく開放で撮るか、ISO感度を上げて撮影しましょう。

F値を小さくすると背景や前景がボケ、ISO感度を上げるとノイズが増えるのでデメリットを理解して好みで調整してください。

露光時間を長くして水流を流して撮影する方法

和歌山県の絶景 那智の滝の新緑

露光時間を長くして撮影するの為には必要な機材が変わってきます。

露光時間を長くして撮影する方法

  • F値を大きくする(取り込む光を少なくする)
  • ISO感度を下げる(取り込む光を少なくする)
  • ND(減光フィルター)を使用する(取り込む光を少なくする)
  • 三脚に据えて撮影する(ブレないようにする)

露光時間を長くするとその分取り込む光の量が増え、写真が明るくなるので適切な明るさになるようにF値を大きく絞って撮るか、ISO感度を下げて撮影しましょう。

ただし水流をトロトロに滑らかにして撮影するにはF値を最大に、ISO感度を最小にしても未だ露光時間を稼ぎきれない場合があります。

そんな場合に活躍するのがND(減光)フィルターです。NDフィルターとはいわばカメラに取り付けるサングラスのようなもので、取り込む光の量を減らす(あえて暗くする)役割があります。

滝の撮影でオススメなのは撥水機能付きのタイプ。滝から飛んできてフィルターについた水しぶきもブロアーで簡単に吹き飛ばす事ができるので撮影のストレスを大幅に軽減できます♪

滝の撮影であればND64とND32を1セットもっておけばほとんどの場合対応できると思います。

露光時間は滝によって変わりますが、1秒以上程度になる事が多いのでブレずに撮影する為には三脚とレリーズも必須になります。

基本的な滝の撮影方法 撮影編 日中のギラつきを抑える

本当は曇りや雨の日、もしくは晴れの日でも午前中や夕方に撮影できると良いですけどスケジュール的に晴れの日の日中に撮影せざるを得ない場合もありますよね。というか多くの場合は晴れの日に日中に撮影する事になると思います。

そんな時の撮影でも多少なりともギラつきを抑える方法についてご紹介します。

PL(偏光)フィルターを使用して撮影する

こちらは全く同じ条件でPL(偏光)フィルターを撮影した写真の比較です。左がPLフィルター使用無・右がPLフィルター使用。

PLフィルター使用していない場合は滝の上の葉っぱや右の岩が白飛びするほどにギラギラしてしまっているのが、PLフィルターを使用すると少なくとも白飛びしないくらいまでにはギラつきを抑えられているのがわかるかと思います。

ここまで明暗差をなくしておけば現像である程度絵にしやすくなるので晴れの日の日中に撮影する場合はPLフィルターはかなりオススメ。

PLフィルターとは不要な光を抑える事で被写体本来の色彩を鮮明に表現する事ができる便利なフィルターで、滝以外の撮影でも結構活躍してくれます。滝撮影に使用する場合はNDフィルター同様撥水機能付きのものがオススメですね。

現像でなんとかする

撮影テクニックうんぬんも大事ですが、文明の利器に頼るのがやっぱり手っ取り早いですね。笑

ギラギラしてなんともならなかった写真も現像で明暗差を抑えてあげればなんとなくそれっぽくする事ができます。ただし元の写真が白飛びしてしまっていては現像しても色が戻ってこなかったりと限度はあるので、撮影時にPLフィルターを使用して明暗差を抑えておくのは結構仕上がりに影響してきます。

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基本的な滝の撮影方法 まとめ

基本的な滝の撮影方法のおさらいでした。少しでも滝の撮影の参考になれば幸いです♪

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